2019 0201 2318

 しんと静まり返った田舎の夜、何をするでもなくリビングで夜を更かし、気づけば午前2時を回ろうとしていた。ちょっとだけ霊感のある私は午前2時を一人で迎えるのが怖い。だからどれだけ腰が重くても1時55分くらいには自室へと向かう。この日もそうだった。

 

 ぼっぼっぼっぼっ と、赤く不気味な光が小窓を通して階段に差し込んでくるのを見てギョッとした。窓を開けて外の様子を窺うと、誰かが担架で運ばれていくのが見えた。氷点下の凍てつく寒さなど忘れてその様子をじっと見ていた。少しして救急車は静かに走り出した。玄関に心細く佇む一人を残して・・・静まり返った田舎、真冬の真夜中、漆黒の町

 

 それから数日後、あそこの家のご主人、亡くなったんだって、と回覧板を見ながら祖母が言っていた。いつも一人で、無表情で町を徘徊するヤバイ小学生だった私にも「あかりちゃん、こんにちは」と優しい笑顔で挨拶をしてくれる人だった。この地域の人たちは「あ↓か→り→ちゃん、こ→ん→に→ち→は」ではなく、「あ↑か→り↓ちゃん、こ↑ん→に↑ち↓は→」と、独特の抑揚をつける。

 

 共同体を維持するための見張り役がまた一人いなくなった。ここまで解体されてしまえば、もはや隣人のことなど気にならないし、ゆるい繋がりすらも鬱陶しい。